現代社会は、豊かになってもなかなか心は満たされないという方が増えています。
自分一人ではどうしても心の悩みを解決できず、精神科や心療内科の診察を受け、お薬を服用してもよくならなかったり、セラピストによるカウンセリングや精神科医による支持的精神療法でも効果があらわれないことがあります。
そんな際に自分でも気づいていない心の深層に葛藤を抱えている場合があります。
近年になって、内省的で集中的な精神療法を求める人が出てきています。
例えば…
などのように考えられている方、悩んでいる方に対し、当院で準備している精神分析的精神療法の内容を説明します。
人生相談”や“悩み事相談”ではありません。「教育」「訓練」でもありません。助言やアドバイスを行うコンサルタントとも違います。症状の軽減や適応の改善といった現実的問題よりも、内面的な心の葛藤やこだわりに悩んでおられる方がこの治療の対象者です。
また「これを受ければ先生に治してもらえる」とか「悩みがなくなってしまう」また「性格が変わる」というものでもありません。
この療法を経験して自分の悩みの無意識的理由がわかるようになるかもしれません。通常の精神療法と違って本来、週に複数回の面接が行われます。主体的な治療意欲が必要となります。
したがって、あくまでもクライエント(来談者)と治療者の相互の同意に基づいて、契約による保険診療が適用されますが、完全予約制による為、予約料が必要となります。
精神分析的精神療法は、定まったセッティングの下で数年間を要する場合もあります。
自らの治療動機を見失わず、根気強い営みがクライエントと治療者の双方に求められます。
寝椅子(写真 上)に横になって頭に浮かんでくることを自由に話してゆくという普段とは異なるコミュニケーションですので初めは戸惑われることもありますが、続けてゆくと治療的変化が現れます。
したがって、クライエントの質問に答えたり、治療者が問いかけて答えさせたりするものではありません。両者の地道な交流によって、自己の内省力が培われ、自らの内的問題を探索して考えてゆけるようになります。
その結果、自己理解が深まり、心の変化が現われます。
対人関係のパターンが修正されて症状を呈することがなくなれば治ったということになります。その後治療を終えても逆戻りすることもありません。
精神分析的精神療法について少し理解していただけたでしょうか。
それでは、もっと具体的な内容について説明しましょう。
専用の精神療法室で、週2回、各50分間のセッションに通えること。面接時間は完全予約制。
1回標準型精神分析療法・再診料(健康保険3割負担)及び、予約料3,240円(税込)が必要。
このホームページを読んでいただき、この療法の要件を理解されて治療を希望される方は、初診の予約を電話で行い、取り決めた予定の日に受診してください。ケースワーカーが予診をとり、精神科医が初診診療を行います。お悩みをお聞きしてこの療法への疑問や質問にお答えします。
療法への理解が得られれば、その後3~4回の審査面接を行って、精神分析的精神療法への導入が適切かどうかを判断します。相互の相性、治療動機、生活のゆとりなども大切です。
もちろん、この療法を途中で取りやめる自由は双方にありますが、よく話し合った上でのことになります。やむをえずこの治療ができなくなった際や、精神分析的精神療法が適用されなかった場合は、一般外来においでいただくか、適切な医療機関をご紹介いたします。
尚、治療者には、この療法の全ての内容に個人情報の保護と守秘義務が課せられます。
岡田 和芳(おかだ かずよし)
日本精神分析学会 認定精神療法医
精神保健指定医